おりんが生きた世界は
暗くて何も見えない闇の世界だった。
けれど、おりんが見たものは、人の心であり、人の真実だった。
水上さんが書かれた「はなれ瞽女おりん」には、
そんな見せかけや嘘をするどく、つきさすようなメッセージがある。
さまざまな情報が氾濫する世の中で、
私たちがほんとうに大事なものは何か、
おりんが問いかけているような気がする。
目には見えているけれど、ほんとうのものが見えない現代に、
おりんを追いかけながら、
おりんと一緒にこの舞台で、
ほんとうに見なければいけないものを
追い求めてゆきたいと思う。