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瞽女(ごぜ)とは、集団で三味線を弾き、瞽女唄などを唄いながら瞽女宿を目指して旅をする、盲目の女旅芸人のことである。異性との交わりを禁じた瞽女の戒律を破ったために、一座からはずされて一人で門付をする者を「はなれ瞽女」という。
若狭の片田舎に生まれ、三歳で盲目になった柿崎りんは、越後、高田の瞽女屋敷に引き取られ芸を仕込まれるが、ある祭りの夜、若い衆に手込めにされ、掟に従い、はなれ瞽女となった。
とある阿弥陀堂で村の男に襲われるおりんを助けてくれた男は、下駄職人を装うが、実はシベリア出兵を拒否した脱走兵だった。おりんは、彼を兄のように慕って一緒に旅を続ける。
大正中期、第一次大戦が終わり、シベリア出兵、米騒動という不況が世の中をおおった時代を背景に、この世にありながら、どこか遠い世界から差し込む光のような存在瞽女おりんとは…。
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